知覚過敏と歯周病
2022年8月29日
歯周病と知覚過敏は互いに関連し合っています。
その例を歯周病からみていくと、まず主な原因の一つとされる歯垢(しこう)が歯ぐきの炎症を引き起こします。
進行すると歯ぐきは痩せてしまい、後退します。
歯はエナメル質によって、外部の刺激から保護されていますが、歯ぐきが後退すると根元の象牙質が露出することがあります。
象牙質は象牙細管が無数に集まってできており、ここを通って刺激が歯髄神経に伝わり痛みが生じるのです。
こうして知覚過敏症状が誘発されます。
また、歯の根元の象牙質は、上部のエナメル質に比べて柔らかいため、虫歯になりやすいというリスクもあります。
次に知覚過敏は歯ぐきの後退や、エナメル質が摩耗するなどが原因となって生じます。
ここにハブラシの毛先が当たったり水が触れたりすると歯がしみ、痛みを一時的に感じるなどの症状が起こります。
こうなると歯磨きがしづらくなり、「知覚過敏によって普段のようなブラッシングができなくなった」という調査結果があります。
この状態が続けばきちんと歯が掃除されないため歯垢が蓄積し、歯ぐきの内部で炎症が起こって歯周病発症の原因・悪化へとつながります。
このようにどちらかが進行すれば、もう一方も悪化します。
口腔内全体の環境が悪くなる「負のスパイラル」に陥る可能性があるのです。
さらに歯周病は、発症して放置すれば、どんどん進行しますので
歯ぐきの炎症が歯を支えている歯槽骨まで到達すると、歯槽骨を溶かしはじめ、歯がグラグラしていきます。
そして最終的には、歯が抜けてしまいます。
歯周病の治療後はメンテナンスが必要になってきます。
3,4か月ごとのお掃除を繰り返し行うことで歯茎の安定を保ちやすくすることができます。
知覚過敏症に関しては、過度なブラッシングや歯ぎしり、食いしばり、かみ合わせ等で
症状を悪化させることがあるので、自覚がなくても歯医者で診てもらいましょう。